辰巳住研は、創業以来一貫して“木造住宅”にこだわって家造りを続けています。
そんな当社が、日本の住まいづくりの研究を続けた結果、辿り着いたのが、日本の風土にあった自然素材を選ぶということ。
当たり前のような話ですが、実は国内で建築されている在来軸組工法の住宅の多くには、輸入材が使われています。
林野庁の統計によると、2010年の国内の木材供給量に占める国産材の割合は僅か26%となっており、近年国産材の割合が増えているとは言え、まだまだ低い水準です。
緻密に工業化され狂いの少ない2×4工法とは違い、日本古来の伝統工法である在来軸組工法の住宅を建てる上では、その土地の気候風土で育った木材を使い、腕の良い熟練の職人が1棟1棟心を込めて建築することが不可欠です。
そこから、さらに踏み込んで、九州の住まいには九州の気候で育った木材を使用することが適しているはずだと、様々な木材を訪ね歩き辿り着いたのが「あや杉(綾杉)」でした。
香椎宮に祀られている「あや杉」は、樹齢1,800年とも言われている歴史ある巨木です。
古くは足利尊氏が戦の前に香椎宮に陣を敷いていた折、鳶がくわえていた綾杉の枝をポトリと落としたのを見て「これは吉兆」とその枝を神功皇后と同じように鎧に飾り、戦に大勝利を収めたとも言われています。
それほど、九州の気候風土に合った「あや杉」は、別名「杉の女王」とも呼ばれています。
「あや杉」は、油分が多く粘りがあり、たとえ台風に襲われたとしても「根から倒れることはあっても、幹は折れない」と言われるほど、非常に強度が高いのが特徴です。
これほどの強度を持つ「あや杉」は、住まいの要となる柱や梁に用いるのには最適な木材なのです。