レフトアローン LEFT ALONE マルウォルドロン Mal Waldron スイングジャーナル Swing Journal
2008-11-14 00:32
伝統あるジャズ誌と言えばスイングジャーナル(Swing Journal)。
私がジャズを聴き始めた頃に愛読していた月刊誌でジャズの「いろは」を学びました。
しばらく御無沙汰をしていましたが最近、再び読むようになりました。
その中で最も楽しみにしていたのが「ジャズジャイアンツが愛したジャズ名曲名演決定盤」というシリーズです。
誌面の言葉を借りれば「ジャズジャイアンツが好んで取りあげたジャズスタンダードの中から、毎回5曲を選び、彼らの名演・名盤とともにあらゆる角度から詳解する特集企画シリーズ」です。
しかし残念なことに、2年ほど続いたシリーズも11月号が最終回ということになりました。
最終回で取り上げられたのはマルウォルドロン(MalWaldron)
マルといえば、なんと言ってもレフトアローン(LEFT ALONE)
最終回に相応しい選曲であり人選だと思いますね。
さて今回の曲「レフトアローン」は、マルが伴奏を務めていたジャズヴォーカル史上、最高の女性歌手といわれたビリーホリディへの追悼曲というのが定説でしたが、SJ誌11月号によると実はビリーの生前にビリーが歌うことを前提に作曲をしていたというのです。
と、いうことは ・・・・・ もしかしたらビリー本人が歌っていた可能性があるということです。
ただし、残念ながら現在のところ音源は確認されていないようです。
もし、あれば間違いなくCDとして発売されるでしょうし私は絶対に買います!
私と同じ想いのファンは多いはずです。
ココでビリーホリディについて少しだけ触れておきましょう。
ビリーの代表曲と言えば、ジャズ・ヴォーカル・スタンダードの最高傑作といわれている「奇妙な果実(Strange Fruit)」でしょう。
私は初めて聴いたときに「何とも重苦しい、暗い歌だな〜」と感じましたし、「奇妙な果実」というタイトルにも不思議な感じをいだきました。
直ぐに調べて ・・・・・ 驚きました! そして知りました。
「奇妙な果実」とは、リンチを受けた末に見せしめのためにポプラの木に吊るされた黒人奴隷の死体であることを。
それを知ってから、あらためて曲を聴くと ・・・・・ (絶句)
ビリーホリディの感情を抑えた淡々とした歌い口がかえって強烈に胸に響きます。
それにしても、この曲があからさまな人種差別が当然であった1960年台初頭のアメリカで、ビルボードのシングルチャート16位にランクされたというのですから本当に驚きです。
当時では、とても考えられないことだと思います。
【注】
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr) いわゆるキング牧師がワシントン大行進においてリンカーン記念堂の前で“I Have a Dream”(私には夢がある)で始まる有名な演説をおこなったのが1963年、その勝利の証として公民権法(Civil Rights Act)が制定されたのが1964年です。
それでは、本題のレフトアローン。
最高傑作はビリーホリディが亡くなった翌年にビリーのパートをジャッキーマクリーンのアルトサックスに替えて録音した、いわゆるベツレヘム盤だと言われています。
曲としても、マルウォルドロンとしても、そしてジャッキーマクリーンとしても最高傑作と評されている名盤中の名盤で、日本のジャズ喫茶では人気No.1といわれていました。
それでは、いつものようにユーチューブから
Left Alone - Mal Waldron
Jackie McLean (as) Mal Waldron (pf) Julian Euell (b) Al Dreares (ds)
Recorded at 1960
Bethlehem BCP-6045
